服薬指導、正直なところ、今でも少し苦手です。
薬剤師として働くうえで避けて通れない業務のひとつですが、
特に新人の頃はこんなふうに感じていました。
- 「説明が長くなりすぎて、患者さんが飽きてしまう…」
- 「何をどこまで伝えたらいいのか、毎回迷う…」
- 「緊張して、話の順序がバラバラになってしまう…」
経験が浅いうちは、知識はあっても、それを伝える“型”がない状態なんですよね。
そんなときに私が試してみたのが、**ChatGPTを使った「服薬指導の説明シナリオ作り」**でした。
■ ChatGPTは、説明の「土台」をつくってくれる
私が使っているのは、以下のようなプロンプト(入力文)です。
【プロンプト例】
「高血圧治療中の60代男性。初めてアムロジピンを服用する。服薬指導時の説明文を、患者さんにわかりやすく、会話口調でシンプルに出力してください。」
すると、こんな文章が出てきます。
「このお薬は、血管を広げて血圧を下げる働きがあります。飲むことで、血圧が安定しやすくなります。毎日決まった時間に飲むのが大切です。副作用として、ふらつきやむくみが出ることもありますので、気になる症状があれば教えてくださいね。」
正直、「これ、最初から渡してほしかった…」と思うくらい、基本を押さえた構成です。
■ ChatGPTの使い方:応用編
✅ 「説明を患者ごとにアレンジ」
例:
「80代で耳が遠い方へ。ゆっくり、短く話す説明例」
「糖尿病の合併症で不安のある方へ、“安心感”を意識した伝え方」
→ ChatGPTは、説明スタイルの調整も得意です。
✅ 「薬の種類別にパターンを集める」
自分で頻出薬の説明をいくつか作っておけば、
ChatGPTがそのパターンを元に新しい薬でも応用してくれます。
「セフェム系抗生物質で共通の説明文をベースにして、○○(薬剤名)の例を出してください」
→ ルーチン業務でも質を落とさず、効率化できます。
■ もちろん、丸写しではなく「自分の言葉に落とし込む」
大切なのは、AIが出してくれた文をそのまま読むのではなく、
それを参考にして「自分のスタイル」に変えること。
ChatGPTの出力は、“会話の台本のたたき台”として活用するとベストです
■ 苦手な「雑談」や「患者対応」も補助してくれる
服薬指導で大事なのは「患者さんとの距離感」だったりします。
たとえば…
- 「この薬、いつ飲むんだっけ?」
- 「なんでこれ増えたの?」
こういう日常的なやりとりも、ChatGPTに例文を出してもらうことで、
会話の練習にもなります。
■ まとめ:服薬指導は「話す力」ではなく「準備力」で補える
話し方に自信がなくても、あらかじめシナリオがあれば安心できます。
ChatGPTは、その準備の“最初の一歩”を手伝ってくれる、非常に心強い存在です。
慣れてくれば、自分の引き出しもどんどん増えていきますし、
「苦手だからこそAIを使って乗り越える」というのも、ひとつの正解だと思います。
◆ 最後に
服薬指導で悩んでいる薬剤師さん、
ぜひChatGPTで「話すシナリオ」を練習してみてください。
コメントやご相談、大歓迎です。
「こういう薬、どう伝えてる?」など、皆さんの工夫もぜひ教えていただけたら嬉しいです。
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